Endo Tech Blog

Techブログと言う名のただのブログです。

新婚生活に咲く一輪の花

 

普段はエンジニアを生業としているので技術的な話題とか、読んだ本とかの感想をこのブログでは綴っている。一方で趣味でceroの高城晶平さんが主催しているビブリオ・ロジに参加したりすると自分の文学的な本能というか、好奇心が高まる。

 

 

こういったイベントに参加すると小説を書いている方や、作曲をしている人、サラリーマンをしながら詩を投稿している人、本屋で働いている人...etc。

とにかくエンジニアではない人とお話する機会があり、それが純粋に楽しい。

 

そういった背景があり、あまりに、あまりすぎるプライベートな話題を書きたくなった。(こういった前書きを書いている所がエンジニアの良くない所だと思っている。ご了承ください。)

 

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2023年3月1日に入籍した。詳細は自分のScrapboxにも書いた。

scrapbox.io

 

あれから1ヶ月が経ち「新婚生活はどうなのか?」と聞かれた場合の僕の答えは「最高!もう、めっちゃ幸せ!」という春の陽気な答え....ではなく、重い雪が積もる冬のような声のトーンで「忙しい」と答える。

 

忙しい。本当に忙しい。

これには明確な理由がある。

 

僕は2023年1月に転職をした。

そして奥さんも同時期に転職活動をしており、2023年2月に転職をしたのだ。

 

奥さんはアートディレクション寄りのデザイナー さんである。

「デザイナー」という職業はとてもセンスが必要な職業だと思っている。

デザイナーに関わらず、映像制作、イラスト制作、CM制作、この世の「0→1」に関わる職業の方はすべからく自分の引き出しだったり、インスピレーションを、ペンやキーボードのデバイスにおろして、格闘し、苦悩し、もがき、生み出すと考えている。

 

付き合っている時の彼女もその一人だった。

上手くデザインが出てこなく1日泣いてしまったり、朝起きるのが辛くて枕のシーツを濡らしてしまっている所を何度も見てきた。

 

「かっこいいデザインを作りたい」と宣言したのはいつだろうか。

でも転職活動を始める2、3ヶ月前には自分を鼓舞するようにそう言っていた気がする。

 

その後すぐに転職活動を始めるがストレートで上手く行った訳ではない。

何度も「お祈り」と「サイレントお祈り」を貰いながらも必死に喰らいついて、泣いて、怒ったり、笑ったりして、大手も含めて3社から内定をもらった。

 

名前を聞けば誰もが知っている大企業である。

どう考えても、誰が考えても、安泰な生活を望むなら大企業に承諾するのが普通の選択だと思っていた。

 

「かっこいいデザインを作りたい」

彼女がそう強く言ったのは冬の重い空気がのしかかる去年の2022年12月だった。

 

もう明日には内定承諾を言わないといけないタイミングの間近で、錦糸町近くの公園で椅子に居座り二入で喋っていた。ただでさえ冬の重い空気がのしかかり、二人の会話は途切れて、地面にすべて吸い込まれていくようだった。

 

その夜、僕は忘年会が地元であったので一旦彼女と錦糸町駅で別れた。

 

地元に戻り居酒屋で同級生と近況報告をしながら飲んでいると、電話が鳴った。

彼女からの着信だ。なぜかドキドキしながらと電話を受け取ったのを覚えている。

 

「〇〇に行くことに決めました。」

「....はい。行っておいで。かっこいいデザインを作っておいで」

 

あれから3ヶ月が経ち、僕も彼女も転職をして、2023年3月1日に入籍した。

「新婚生活はどうなのか?」と聞かれた場合の僕の答えは「忙しい」である。

 

ただ、それは同情を求めるような「忙しい」ではない。

 

Foster the Peopleの「Call It What You Want 」の独特なシンセサイザーのビートと、心臓をかき回されるようなドラムが常に鳴り響き、Fall Out Boyの「 I Don't Care」のような周りをぶっ壊すようなギターと「I Don't Care!」が気持ちよく響く。

そんな「忙しい」である。

 

朝起きて奥さんの弁当を作っている時にふと「これは新婚生活なのか?」と思う時がある。どちらかというとお互い、転職したばかりの企業に1日でも慣れる為に戦場へ向かって、ボロボロになりながら帰路につき、味噌汁を飲み、お風呂に入って寝る。

そして翌朝には全快してない顔を引きつりながら、弁当を作り、静かにハグをして奥さんを見送る。

 

奥さんを見送った後、僕はタイピング練習をして、本を読み、余裕があればドットインストールでPHPの文法や、Goを学び、もっと余裕があればピアノもたまには弾く。

 

 

リモートで働いている時は昼ご飯を早く済ませて、「唐揚げ食べたいなぁ~」と思ったら、ジップロックに鳥のもも肉と、醤油と、みりんと、日本酒をそれぞれ大さじ1、チューブのにんにくと生姜を仕込んで置く。よく味が染み込むからだ。

そして退勤後にサラダ油でカラッと揚げる。

 

そして奥さんが遅く帰ってきても食べれるように半分分けたり、弁当のおかずにしておく。奥さんが帰ってくると、僕が寝ている間に洗濯物を干してくれて、僕が起きてそれを取り込み、またいつもの生活が始まる...。

 

これが今の僕らの新婚生活である。

そして、これも新婚生活だと思っている。

 

忙しい。本当に忙しい。

でも時たまに見せる奥さんの笑顔だったり、ピアノの旋律だったり、くだらない会話だったり、LINEでの「ありがとう」という一輪の花を大事にしている。

 

そんな感じで僕らは元気に暮らしています。

 

読んでくれてありがとうございました。

 

おわり