Endo Tech Blog

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「Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち」を読んだ

 

 

「Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち」を読んだ。

 

本は前から持っていたが読むタイミングがなく、いつ読めばよいのかと考えていたがつい最近、業務での自分の立ち回り方を考える機会があり一気に読んだ

 

今後の開発で必要なヒントだったり、覚悟が得られる気がしていたが結論読んで良かった。もっと早く読んでいればよかったなぁと少し後悔した程、自分に刺さった本だった。

 

特に技術的負債がある環境だったり、10年以上稼働しているサービスの改善をする際の具体的な対応方法や心構えといった事が泥臭く書かれていて素晴らしかった。

 

章を読む終わるたびに「これと同じ事を行うにはどうすれば良いんだろう?」と自問自答を繰り返し読んでいたが、総じて「すごい!」思った事が2つある。

 

1つは地道に現状課題を認識して改善できる箇所を見つけて技術力で直していくステップが当たり前のように回っている事。そしてもう1つはここで紹介されているエンジニア、皆さんがビジネス視点も取り入れてリファクタリングや、クラウドの移行、リプレイスに挑戦していた事。

 

ただコード書いて、リリースして、機能開発or機能改善を行うのがエンジニアの仕事だと思われがちだが実はコードを書く前の意思決定の段階にもリソースを使う。そういった意思決定というのは業務では当たり前のように行われていたけど、他社の話は聞いた事がなかったのでとても勉強になった。

 

個人的に読んでいて1番に響いた言葉がある。

第1章「広告配信の舞台裏の技術者たち」の章で技術的負債の返済方法について、求められる力(スキル)について、t_wada さんが回答していた内容が印象強く響いた。

技術的負債は、賢くやる事だけではなく、腕力がないと返済していけない。

関係ないところに手を出す力、放っておかない力、というのがまずあると思います。重要ではないけど緊急でないから誰も手をつけてなところをゴリゴリ巻き取っていくためには、カッとなる力、放っておかない力が必要です。

そのうえで、それを短期間で仕留める力も勿論必要になります。

率直に言うと、技術的負債を返済できる企業とできない企業があるのは、この腕力の有無によるという面も否定できません。

 

「Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち」  p32

 

この言葉を読んで、まさにこれこそが事業をエンジニアリングする技術者に求められるいる事であり自分が今後身に付けなかればいけない心構えだと感じた。

 

本書では広告配信システムでの改善例や、10年以上稼働するECのレガシーシステムのリファクタリングだったり、学生と企業をマッチングさせる就活サービスの刷新の裏側など等、様々な環境でエンジニアが事業を加速させた具体例が書かれており、同じ境遇がある方は是非一読をお勧めしたいです。

 

おわり